2021年9月19日日曜日

糸瓜忌に思う「生きる」意味|有明抄|佐賀新聞LiVE サカズキノ國

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糸瓜忌に思う「生きる」意味|有明抄|佐賀新聞LiVE

サカズキノ國
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 台風一過。残暑も吹き飛ばしてくれたようで、秋の色が深まってきた。台風に触れた17日付の小欄で登米(とめ)市を登女市と表記していた。ごめんなさい◆さて、きょう9月19日は正岡子規(1867~1902年)の命日で、「糸瓜忌(へちまき)」と呼ばれる。来年で没後120年。司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』に登場するように、正岡子規と夏目漱石(1867~1916年)が友人だったことはよく知られている。才能にひかれ合い、互いを高め合った二人。人はやはり、人との縁で成長する◆漱石は49歳で亡くなるが、子規の生涯はさらに短かった。20代で脊椎カリエスを患い、ほぼ寝たきりに。やがて、「覚悟」とは死を受け入れるのではなく、いかなる場合も平気で生きられること、という境地に達する。激痛に苦しみながら病床で句作や執筆活動を続けた。生に執着せず、かといって諦めもせず、「今」を精いっぱい生きた34年の生涯だったと思える◆個人的に好きな子規の句は〈漱石が来て虚子が来て大三十日(みそか)〉。漱石と、弟子の高浜虚子(1874~1959年)が大みそかに見舞いに来てくれた喜びが伝わってくる◆つらい病床生活の中にも生気あふれる句を詠み続けた子規の明るさを見習いたい。遠くにある幸せを願うより今ここにある幸せに気づくことが大切。そう思う糸瓜忌でもある。(義)

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