桜木紫乃が描くダークヒロイン。「死に場所を求め、生きる女」の人生の後始末。 (2021年10月4日) - エキサイトニュース
「夜の支配者にのしあがった男。霧降るこの町で、女たちに残した記憶。謎めく彼をめぐる8人の女の凍えるノワール」――。
「ノワール」とは、フランス語で「黒」を意味する。「ノワール小説」とは、犯罪や暗黒街をテーマにしたもの、暗黒小説。
桜木紫乃さんの著書『ブルース』(文藝春秋)は、昭和から平成の釧路を舞台に、貧しく苛烈な少年時代を経て成熟していった男の生涯を描いた「釧路ノワール」。2014年に単行本として刊行され、17年に文庫化された。
「死に場所を求め、生きる女。裏切りの果てに辿り着いた終焉の地とは」――。
そしてこのたび、『ブルース』の続編となる本書『ブルースRed』(文藝春秋)が刊行された。これは男の娘を「新たなダークヒロイン」として描いた「ノワール小説の極北」。帯には「『ホテルローヤル』『家族じまい』を経てデビュー20年目の最高傑作!」とある。
お前は悪い女になるといい
前作『ブルース』の主人公・影山博人は、霧たちこめる釧路の「崖の下」で生まれた。博人の手には、指が6本あった。自らの「過剰」を切り落とし、夜の支配者にのしあがり、52歳でその生涯を閉じるまでが、8人の女たちによって語られる。
「心とか恋などといった感情を受けとる場所が最初から欠落しているような、恐ろしい気配。女のからだを欲望の容れものに変えてしまう指先。つよく突き上げてくる腰」
性的にも人間的にも女たちを魅了してやまない博人。骨抜きにされた女たちは博人を想いながら、悔しさ、憎しみ、ときに殺意を抱くこともあった。
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