シネマの週末・この1本:ONODA 一万夜を越えて 凄絶な孤独を生き抜く | 毎日新聞
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太平洋戦争後の29年間、フィリピンのジャングルにとどまった小野田寛郎を、フランスのアルチュール・アラリ監督が映画化した。史実を正確に再現することには重きを置かず、むしろ異様な緊張状態に長期間置かれた人間の成れの果てを見ようとする。
航空兵になる夢が挫折した小野田は、陸軍中野学校でゲリラ戦を教え込まれ、やがてフィリピン・ルバング島に赴任する。「玉砕は許さない、生き延びて情報を送れ」と命じられたものの敗色濃厚な戦況で兵士の士気は低く、小野田は体力と気力の残っていた3人と共にジャングルに潜伏する。
アラリ監督はキャラクターを掘り下げて物語を語るより、時間の積み重ねを見せようとする。小野田がスパイに仕立てられるくだりや、ジャングルを部下とさまよう中盤までは、状況説明的な場面の連なりでいささか精彩を欠く。部下が1人、また1人と消えて、小野田と小塚の2人だけになったあたりから、映画の密度はグッと濃くなる。
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